ジャワストーン 素材シリーズ

お庭のアプローチやテラスに、はたまた壁面や花壇のボーダーにと様々なシーンで活躍する「石材」
用途に適した形状のものや加工して使いやすくしているものが資材として流通しています
今回はその中でも落ち着いた雰囲気で人気のジャワストーンの魅力をお伝えします

目次

ジャワストーンとは

ジャワストーンはインドネシアのジャワ島で採れる鉄平石です。鉄平石は緻密で硬い安山岩の一種で板状に割れる性質から「鉄のように硬い平たい石」といった意味のようです。日本では主に長野県諏訪地方で採れる諏訪鉄平や兵庫県の丹波石が有名です。ジャワストーンは赤~茶の色見と青グレー~緑グレー~グレーの色見があり、その比率により仕上りの表情が変わります。色見が多いのですがどの色合いも落ち着いたアースカラーのため混ざり合った雰囲気がジャワストーンならではの魅力的な表情です。

乱形 乱張り

ジャワストーンは鉄平石なので基本形は平たい板状の石材になります。
自然な割れた形状のものを「乱形」、四角く割ったものを「方形」といいます。「乱形」は自然の割れた形状で、大きさも大小ランダムに張り合わせて「乱張り」となります。「方形」はある程度の規格があり、代表的なサイズとしては「90mm×90mmのピンコロサイズ」や「300mm×300mmの平板」などがあります。

厚みは大体20mm~30mm程度が多いのですが、磁器タイルのように同じ厚みで揃っているわけではなく、割った状態の形状になりますのでやや凹凸があったり、湾曲があったり、また厚みが均一ではなかったりします。そのような一つ一つの破片の表情や形状を見ながら、裏と表を見極たり、その場に合うように加工して調整することもあります。

乱張りにおいては「石の配り」(並べ方)に醍醐味があります。この配りには「目地の幅を均一にすること」や「四つ目地をつくらない」、「通し目地を長くしない」などのルールがあります。このルールに従うことで違和感のない「いい感じ」の石張りができるのです。また石張りにおいては「切る」という加工の行為によって切口が自然のものではなくなり、直線的で不自然なものとなってしまうため、極力行わない方が良いとされます。割れた状態の石をそのまま配っていくのが理想ですが、ルールに従いつつ、バランスを考えつつ、今ここにある石で組み合わせるためには、「割る、切る」という行為は多かれ少なかれ必要になります。

ジャワストーンは割れた形状に尖りやデコボコが無く、比較的素直な形に割れることから、乱張りの「石の配り」が穏やかで、比較的「和」のテイストを感じさせます。一方でブラジル産のクォーツスサイトや石灰岩のジュラストーンなどはガラスのような割れ方をするため、乱張りのルールに従うためには切ったり割ったりという加工が多くなってしまいます。ですからこういった割れ方の石材においては、ルールとは別にもっと自由な感じの配りで良いのだと感じます。

ジャワストーン乱形の石張り テラス
ジャワストーン乱形の石張り アプローチ
クオーツサイト乱形の石張り テラス
クオーツサイト乱形の石張り アプローチ

ジャワストーンをオススメする理由

石を選ぶときは色や質感などの個性を見ながらも、基本的には個人のお好みになるのですが、ジャワストーンのオススメするポイントとしては「合せやすい」「汚れが目立ちにくい」というのがあります。

ジャワストーンは日本の「和の趣」が感じられる落ち着いた雰囲気の素材です。シチュエーションや既存建物やお庭の雰囲気に合せるときに様々シーンで無難にまとめてくれるような感じがします。個性的な建物にはそれなりのマッチした素材がありますのでジャワストーンはやや物足りないかもしれませんが、長い目で見ますと流行りにとらわれない飽きの来ない素材です。クオーツサイトなどは明るい色調のため場の雰囲気をつくりやすいのですが、風化による色の変化が気になる場合もあります。屋外で使用する以上風化はやむを得ない変化ですが、石の場合は風化をネガティブに劣化と捉えない良さがあると感じます。アンティークやヴィンテージという歴史的価値が付加される素材というのは長い目で変化や使用感をポジティブに良さと捉えるものですが、ジャワストーンはそのような風化が気にならないような性質の素材です。湿度の高い日本の気候はカビなどの汚れが付きやすいので、吸水率の低い安山岩は見た目の変化が少なく(汚れないわけではないのですが)安心感のある素材だと感じています。

お庭という屋外の環境においては、見た目だけでなく使いやすさや経年変化も素材選びの重要なポイントになりますので、石に限らず、コンクリート土間やコンクリート二次製品などが増えている中で、ご自身に合った素材をチョイスしたいですね。

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